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2015年

米松

ステイン塗装 仕上げ

W400 x D310 x H395 (外寸)

キャビネット

サイドボード

デスク

ショーケース1

ショーケース2

ペーパーコードスツール

ヘリンボーンスツール

ティッシュのやつ

スタンド

本とか立てるやつ(モルタル)

バケットハット

制作記

 作業場では東京にいたころドンキホーテで買った安物のパイプイスを使っておりました。それに座って作業していたところ、あるとき急に体がよろけて何事かとイスを見てみると本来折りたためない方向に脚がグニャっとなっていまして突然のお役御免に東京時代から連れ添ったイスとの別れを惜しみながら作業場にはそのイスしかなかったため必然的につくることとなりました。

 いつだったか「家具職人は椅子もつくるが、椅子職人は椅子しかつくらない」というのを目にしたことがあります。読んだ通りの意味なのですがこれが言わんとしていることは椅子をつくることは間口は広いがとても奥も深いということだと解釈しています。本当に機能を満たすだけならばダンボール箱でも座って崩れないものは椅子とも言えますし、「座り心地最高!」なものや「この造形美!たまらん!」を追求するならば長年の研究や熟練の技が必要になってくるでしょう。

 

 まあ座り心地や造形美は一筋縄ではいかないので一旦置いときます。ただダンボールというのもなんですから、つくるのにちょっとだけ手間が必要で(←ものぐさなものであくまでもちょっとでいい)、できあがったときにまあまあ満足感が得られる都合のいいものはないか調べた結果がペーパーコードスツールだったわけです。

(私は「スツール」ってイスをただオシャレに言い換えたものだと思ってたのですが「背もたれのない椅子」というわりと明確な意味を持った名称だったんですね。知ラナカッタ...。)

 

 最初はこれって素人でも編めるもんなの?と思っていたのですが、編み方は調べればすぐ見つかりましたし、ペーパーコードもネットで買えます。

 

 で実際につくってみようということで、適当にこんなもんかなという寸法でスツールの骨組みをつくり「鹿の子編み」と「Yチェア編み(←正式名称がわからない)」という2種類の編み方を試してみました。

 まず鹿の子編み。編み方自体は全くもって難しいものではありません。ただテンションをかけて編んでいくため手が痛くなります。目一杯引っ張ることがいいのかは定かではありませんが、とりあえずゆるゆるではダメだろうということで手に巻きながら力を込めて引っ張ります。結果手がヒリヒリしてきます。そのため厚手の手袋必須です。(軍手でもダメでホームセンターで手に入る牛床革手袋というのを使ってました)

 手順としては縦方向を編んでから横方向を編んでいくという感じです。縦が終わり横方向を編んでいくと一列進めるにつれペーパーコードを通す隙間が小さくなっていきますので終わりに近づくほど通すのに時間がかかります。そのため座面の幅より少し長い棒を用意してこれを先に入れて隙間を広げておくとペーパーコードを通すのが楽です。(要は何かスペーサーになるものがあると良いよ!)

 鹿の子編みは手が痛くなることを除けば特に気を使うことなく簡単でわりときれいに仕上げられるのでおすすめです。

 そしてYチェア編み。これも手順としては単純ですがきれいな編み目に仕上げるのは非常に難しいです。(何度やり直しても最後まで納得いく仕上がりにならなかった) 言葉にしづらいのですが、鹿の子編みと違い、縦、横、縦、横と編んでいきますので、きれいに仕上げるには編み目の「直行直角」を意識して編んでいくことがポイントになるかと思います。テンションをかけて編んでいきますが、引っ張りすぎるとこの直行直角が崩れていくというのが難しいところです。そして目測で直行直角を測って編んでいくと最終的に大きくずれていくことになりますので一回一回スコヤを駆使しながら編んでいきました。(最後まで編み終わってからほどいてやり直すのは か な り 面 倒 く さ い 。)

 このYチェア編みは仕上がりが中央部分に向けてくぼんだかたちの座面になります。そのため座ったときおしりにフィットするので鹿の子編みに比べると座り心地は良いです。

 一言に鹿の子編みといいましてもその中で編み方のバリエーションがまたあるようですし、Yチェア編みもキレイに仕上げるにはまだまだ鍛錬が必要です。これまで5脚ほどペーパーコードスツールをつくりましたが、骨組みの寸法を変えるだけでもだいぶ見た目の印象が変わりますのでそれだけでも椅子の奥深さが垣間見えます。椅子沼の片鱗を見た気がしました。

 ただスツールなどは気軽につくれるものでもありますので今後いろいろつくっていく中でいつか背もたれ付きの椅子もつくれたらいいなと思います。