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安西水丸さんの企画展へ行く。

多分にもれず今回の出張も夜勤なもので基本的に日曜の夜から仕事が始まり、金曜の朝終わって週末を迎えるという生活をしております。

夜型のまま休日に入ってしまうと貴重な日中を無駄にしてしまうものですから、金曜はそのまま起きていて無理やり昼型生活しようととくに用事があるわけでもなく知立駅に行ってみたりしていました。

で昨日は安西水丸さんの企画展が行なわれている、清須市はるひ美術館へ。(本当は金曜に行きたかったのですが、最寄りの清洲駅から2km弱歩かなければならず天気が怪しかったため断念) 

一転して天気も良く、まだ日差しは強いですが風が吹いていたので散歩も心地良かったです。

清須市はるひ美術館

清須市はるひ美術館

本名が私の祖父と同姓同名であったり、幼少期過ごしたのが私の家から程近い千倉だったということであったり、まだご存命で私が東京で仕事をしていたとき一度だけ原画を扱わせていただいたことがあったりと、安西水丸さんには勝手な親近感を抱いておりました。

そしてまあ何より安西さんのイラストに惹かれるものがあるためこうして訪れたわけです。

私は細密なものであったりカシッとしたものがもともと好きだったのですが、安西さんのは誤解を恐れずに言えばそれとは真逆なもので、私にとってはある意味好きなものの幅を広げてくれた方でもあります。

多くの仕事をこなせるようにこういった作風になったと説明がありましたが、へたうまな絵(←失礼な意味は全く含めていない)というのは実際のモチーフから情報量を非常にうまく引き算していかなければいいなあというものにはならないわけです。あとそもそものモチーフ選定や構図と色彩構成のセンス。「描けそうで描けない絵」と言ってしまうのはあまりにも安易だよなと改めて思いました。

安西さんのイラストの魅力はそれらが醸し出す「完成されたゆるさ」に懐の深さを感じ、私感が入り込む余地があるところでしょうか。観ていてほんわかします。

村上春樹さん「セロニアス・モンクのいた風景」の装丁には和田誠さんが描いた、安西さんがセロニアス・モンクにタバコのハイライトを一本あげている絵があります。これはどうやら実話だったようで大変感心してしまいました。しかもハイライトのパッケージデザインは和田誠さん。3人は大変親しかったようで、私も歳をとったとき少なくていいからそういった友人がいるといいなと思ったり。

他の村上さんのエッセイにも安西さんは度々登場し人柄の魅力についても多く語られており、その中で推されていた安西水丸さん著「普通の人」がとても面白そうなので今度読んでみようと思います。

そういえば2016年の年賀状は安西水丸さんにオマージュを捧げてつくったけど安西さんの特徴をまだまだ捉えきれてなかったな(たぶん今も)

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