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ワークチェアの選び方

前回の続き

購入を検討したことがある方ならご存知の通り、ワークチェアも価格はピンキリである。

新しいものを購入するにあたりありとあらゆるレビューを拝見することとなったのだが、なかでも驚いたのは20万もするアーロンチェアでさえ自分の身体に合わない方もいるということだ。

あれほどのものを買えば誰もがスキンヘッドにしてドーパミンドバドバベゾスになれるものだと思っていた。ドバドバベゾスはともかくとしても半ドバベゾスぐらいにはなれるものだと思っていた。どうやら違うらしい。

話は逸れるがカメラ機材、これもピンキリである。

手軽なエントリーモデルからミドルクラス、プロ用のハイスペック機と数社から様々なモデルが販売されている。

私みたいな素人に細かいスペックの差を理解するのは難しいものの、カメラ(電化製品とひとくくりにしてもいいかもしれない)に関して言えば価格と性能は比較的わかりやすく比例するものだと思っている。

なので自分の懐と相談し、買える範囲の中で一番高いものを買っておけば大抵は満足する。

その点ワークチェアはどうだ。

椅子に大枚を叩いてもベゾスになれない人がいる。

ワークチェアの選択はとても容易ではない。そう思った。

一方で、

そろそろベゾスから離れよう、

とも思っている。

この一筋縄では行かないことを踏まえた上で私がワークチェアを選ぶ際に留意した6つの項目を挙げてみようと思う。

タイトルを「ワークチェアの選び方」としたが、正確には「私の」ワークチェアの選び方だ。

正直これを読んだからといって万人が自分に合ったワークチェアを選択できるというものではない。ひとつのケーススタディと捉えて参考にしていただければと思う。

ただし読み終えたとき時間を返せとなる可能性も大いに含まれているので、ベゾスなんたらでもう既にウンザリしてる人は早くこのページから離れたほうがよい。

時間は有限である。

1.価格

「予算は5万円ぐらいまで」

さて、まずは価格だ。

誰もが一番初めにふるいにかけられる要素はやはりこれであろう。

先に書いた通りワークチェアの価格はピンキリである。

いうまでもなく予算は多いに越したことはないが、どういったわけか私はブルジョアジーではない。

価格帯を「躊躇せず一括で買える範囲」とした。(~5万円ぐらいまで)

ちなみに20万円の予算を確保できるのであればほとんどのものが手中に落ちるわけだが、どうやらワークチェアはハーマンミラーのものでさえ保証期間は12年と一生ものとはいえないようなのだ。

(充分に長い保証だが買えない人間の歪曲した解釈)

一時は10万円前後のものを検討したが、それをまた買い換えることとなったとき私の性格上10万円以下のものは買いたくなくなるので、身の丈にあったものを買って徐々にステップアップしていこうじゃないか。うんうん。

と思うことでまず上を見ないことにした。

生温かい何かがが頬をつたう。

2.メーカー

「国内企業のワークチェア」

amazonでワークチェアを検索するとどこのメーカーだかわからないものがたくさん表示される。会社名すら無いこともある。

ワークチェアに限った話ではないが、商品を紹介する写真に違和感のあるフォントが使われていたり、「令和最新型」のようなどうも言語感覚に首をかしげたくなるもので溢れかえるようになった。

これまでに「平成最新型」という常套句があったならまだわかるが私はそんなもの見たことがないし、信頼を得たいのならばもっとその場に適した日本語を研究し駆使していただかねばならない。

もちろんそのなかにはワンチャンあるかもしれないのでなしよりのありだが、レビューを参考にするにも数が100件を超えるものも少なくない。それを全部見るのはとてもつらたんだし、サクラも含まれるなら完全に怪しさを拭うのは非常にメンディーだ。

amazonはもうつらみが深いしやばたにえんでぴえんである。

私は信頼感にお金を払いたい。販売が国内企業であることを条件に加えた。

早期の故障など万が一のことを考えてカスタマーサポートの件と、日本人の体型に合うものはやはり国内の会社で企画されたものだろうということで安心と信頼を重視したい。

国産なら尚良いが、製造業を某国に依存している今の現状でそれを探すのはなかなか難しそうである。

そこで候補に挙がるのは、

といったところか。

私が知らないだけでまだ国内の企業はありそうだが安心面のことを考えて有名どころの中から選択しようと思う。

そのほうがよさみがすごい。

3.機能

「予算により取捨選択が必要」

単純にこれまで使っていた椅子より機能の豊富なものが欲しい。サガである。

とりあえずワークチェアの一般的な機能・パーツを挙げてみよう。

ヘッドレスト

・そもそものヘッドレストの有無

・ヘッドレストの大小

・高さ調整できるか

・角度調整できるか

・取外しできるか

・ヘッドレストがないタイプを購入した場合後付けが可能か

・ボロボロになってコロコロコミックにならないか()

ランバーサポート

・そもそものランバーサポートの有無

・高さ調整できるか

・ゴムがだるだるになってしまわないか()

肘掛

・そもそもの肘掛の有無

・高さ調整できるか

・前後左右等の調整が可能か

・跳ね上げ式か否か

・材質がメガネケースみたいなやつじゃないか()

座面

・座面位置を前後に調整可能か

・前傾、後傾の切り替えができるか

・お尻のことを大事に思ってくれるか()

ロッキング

・最大角度はどれくらいか

・ロッキングした状態で固定できるか

・硬さ調整できるか

・ロッキングしたとき座面が連動してしまうか否か()

その他

・タブレットスタンドはあるか (Ergohuman PRO)

・オットマンはあるか (主にErgohuman PRO)

・上着を掛けるハンガーがあるか (主にErgohuman PRO)

・寝られるか (←ベッドで寝ろ)

思いつく限り挙げてみたが、いくら機能が多かろうと最終的なワークチェアの良し悪しは自分の身体に合うかどうかだ。

しかし、

男子は多機能が好きである。

たとえ使わない機能があったとしても多く有するに越したことはない。

多機能こそ正義なのだ。

多機能ベストを着て胸には何本もの多機能ボールペンをさしている。

ささりきらない分は多機能筆箱に入れ、あのスイスのマークが入った多機能ナイフで何種類の機能があるかでマウントを取り合っている。

男は皆、「多機能原理主義者」だといっていい。

「男子ってこういうの好きだよネー」

と言われれば

「そんなことないよハハハ」

なんてすかしていても、目の前の多機能ワークチェアと女子、(この場合どちらかといえば女子!)に内心ド興奮しているのだ。

目隠しした女子をワークチェアに座らせ、「ここは何を調整するレバーだ?」などと問い掛けをしながらひとつひとつ丁寧に機能の説明をする妄想をしている。

そして終には手を取って、「じゃあここは何だと思う?(ネットリ 」だ。

このようなことを常に頭の中で走らせている。そういうものなのだ。危ない。気をつけたほうがよい。

早速訂正したい。主語が大きすぎた。そんなムッツリーニ・ド・ヘンタイは私だけだ。

しかしだからと言って警戒を怠ってはいけない。

深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ。

さて、ここで挙げた機能全てとは言えないがほとんどをカバーできるゴイスーワークチェアがある。

Ergohuman PRO

諸々のオプションをつけるとおよそ13万円である。

今回は予算の都合上候補から外れてしまったが、以前検討していたときに新宿の大塚家具で座らせてもらったことがある。ちょっと前のことなので記憶はあまり鮮明でないが座り心地も良かった。

...

いや待て、10万以上するものなのだから悪いわけがないとどこか補正がかかっていることは否めない。記憶が鮮明でないなどと予防線をはりながら良かったなんていうのは無責任極まりないことだ。ちゃんとしたことを書くには今一度座ってみる必要がありそう、とまでにとどめておこう。

しかしながらこの万能感はプロモーションを見ただけでも使ってみたい欲にかられてしまう。わたし的にはフレームのピカピカシルバーが苦手なのだが「Ergohuman PRO Black Edition」というタイプもあり、もし買うならばそちらを購入したい。

機能面に関しては価格帯を上げれば上げるほど多機能となるが、私の予算と国内企業であるという条件では機能の取捨選択が必要となりそうだ。

二郎のようにタダでニンニクヤサイアブラマシマシとはいかない。

書いていてこの例えは適当ではないんじゃないかと思ったが今無性に二郎が食べたいのでその気持ちの表れと思って流してほしい。

4.材質

「合成皮革は避ける」

前回の記事にも書いたが物である以上遅かれ早かれ材質の劣化ということからはなかなか逃れられない。

それを踏まえた上で材質に関しては少し価格の話と絡めるとしよう。

まず、価格が安くて良質であるに越したことはないが経験上そういったものに出合うのはなかなか難しい。

大概、他と比べて極端に安価なものは一見良さげなものでも実際使ってみるとどこかしらにしわ寄せがあって、まあ安物だからね、なんてことはザラにある。基本的に安いものは早く不具合が出てきてしまっても仕方が無いと思うし、高いものならば長く使えるべきと思っている。

要するにできるだけ賢明な選択し、価格に見合った耐用年数を得ようということだ。

これまで使っていたワークチェアを思い浮かべて経年変化が顕著に現れるパーツはどこだろうかと考えると、言わずもがな「ヘッドレスト」、「背もたれ」、「座面」である。(あのランバーサポートは論外として)この3点に使われている材質は何かということを注視することにした。

とりあえず選びたくないものを挙げるならばヘッドレストに使われていた合成皮革である。もちろん適材適所ではあるのだろうが、常に身体があたったり擦れる部分にアレはおそらく向いていない。

特にワークチェアなんかはほとんどのパーツが身体と接するものであり、あまり触れない部分といったら脚まわりぐらいである。だからといって脚まわりにだけ合成皮革が使われていてもそれはそれで意味がわからないものになってしまう。

できる限り長く使いたいの場合、検討しているワークチェアに合成皮革が使われていたらそれは避けるべきかもしれない。

良いワークチェア選びは「材質」選びである。

5.フォルム

「もっさりは苦手」

最初に断っておくがフォルムに関しては極めて主観的な私の偏った好みの問題である。そのことを念頭に置いた上で読んでもらいたい。なんなら読まなくても良い。

ワークチェアのカテゴリーにゲーミングチェアを含められるかどうかは怪しいところだが、いわゆるああいった類のものは避けたい。あのもっさり感とカラーリングはとても苦手である。

あといかにもな社長椅子みたいなやつ。革張りの。あれももっさりしている。私からしてみればaka地味なゲーミングチェアだ。

いや、どちらかといえばゲーミングチェアaka派手な社長椅子というべきか。

たとえ座り心地が抜群だったり機能が素晴らしかったとしてもあのフォルムである以上おそらく買うことはないだろう。そしてもしあれらが合成皮革とかだったりしたらそれはもう最悪な組み合わせである。

ワークチェアのかたちなどどれも似通ったものなので大したこだわりはないがもっさりフォルムのものは避けることにする。

6.試座できるか

「結果として私は試座しなかった」

アルヴァロ試座。

さて、最後の項目である。

ワークチェアに限らず椅子やらソファは購入する前に試座できるに越したことはない。ぽんぽん買い換えるものでもないし。

が、私のような田舎住まいのものにとっては少しハードルが高く、ましてや今のこの状況でふらっと都内へ赴くのはとても憚られる。

その点、あくまでもそこの商品を検討している場合に限るが、至るところに実店舗を構えている某家具量販店はとても強みがある。(もっと信頼性と根本的なブランド力を上げて良い商品をつくってほしい)

ただしだ、私はこんなレビューをどこかで拝見している。

「購入したら一日何時間も座ることになるものを数分の試座で判断するのは難しい」

ごもっともだ。

その主旨からは少しはずれる気もするが、以前私も大塚家具へ行き、Ergohuman PROをはじめ、アーロンチェア、コンテッサなどに座った。時間が経ってしまった今となってはそれぞれの座り心地の違いなんて到底思い出せず、「どれも良いイスだった、と思う。」というような、とても抽象的すぎて逆に本当に良かったのかと疑念すら生じる感想しか出てこない。そこにはもちろん「値段が高いから良いものだろう」というバイアスがしっかりかかっている。

今思えば大塚家具から家に帰ってきた直後ですら怪しい。私はそれらの差をちゃんと認識できていただろうか。

試座したとしてもせいぜい10分ぐらいだろう。圧倒的に時間が足りない。

見極めるのなら少なくとも開店から閉店まで座らせてもらう必要がある。

うん、

しかし想像してみてほしい。

ムッツリーニ・ド・ヘンタイがお店に居座っている。

彼はありとあらゆるワークチェアに座っては、目を閉じ、妄想に耽っている。半笑いで。

店員さんたちに少しずつ緊張感が走ってゆくのが目に見える。

最悪おまわりさんとお話しだ。開店から閉店はどうやら難しいといえる。

では毎日30分だけと決めてお店に通うのはどうか。

いやこれもだめだ、どうせあだ名をつけられて小声で「ムッツーきたムッツーきた」とコソコソ言われるのだろう。

そしてそのうち店員さんたちのあいだで「62」は彼を示す隠語となるのだ。

トランシーバーで「62番でーす」だ。

どうか人を番号で呼ぶのはやめてほしい。

このように。

見極められるほどの時間をかけて試座するのはとても現実的ではないし、

せいぜい10分程度試して良かったからといってそのワークチェアが必ずしも正解とは限らないのだ。

もー、難しいデスね☆

ここまで試座だなんだと言ってきたのに元も子もない話だが、結局のところ今回私が選んだワークチェアは最後まで試座しないまま購入に至る。

もちろん買う前に少しでも実物を見て座って試してみたかったが、何せこのご時世だ。

仕方がないと思った一方で、安物を5年以上、座り心地に関して特に不満もなく使ってきた身としては「どんなものでも使ってれば慣れる」とどこか高を括っていたところもある。

そして何より、長く使ってみないとわからないのなら最終的には多少の冒険心を持って買うしかないのだ。

そう、これこそが後に語り継がれる「ムッツリーニ・ド・ヘンタイ・ヒトバシラ」誕生の瞬間である。

まとめ

つらづらとくだらないことばかり書いてしまった。

書いた私ですら要点を掴みづらいので読んでいただいた方にはなおさらのことであろう。

なので最後にまとめとして私のワークチェアの選び方を要約してみる。

大筋としてはこうだ。

5万円以内で国内企業のワークチェアを買いたいが、

それだと機能を取捨選択する必要があるようだ。

できるだけ長く使いたいので材質選びは慎重に。

もっさりフォルムだけは却下。

試座できるに越したことはないが、

最終的には冒険心が必要である。

.....。

「いかがでしたでしょうか」

この文言が頭に浮かぶ。

まさに典型的な、いかがでしたでしょうかサイトだ。

要約してしまうと全くもって大したことがない。

それなりに時間をかけたのにこのザマだ。

がんなえなのでもう寝よう。

読んでくれてあざまる水産

最後まで読んでいただいた方々、謹んでお詫び申し上げます。

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