床をモルタル仕上げ風にしてみる -中編-
ー前編から時間が空いるのはどういった理由で。
長十郎(以下C) : 前編を書き終えたときにはまだ施工していなかったというのとちょっと出張が...(ゴニョゴニョ)
ーお忙しかった?
C : いやまあそういうわけでも..(ゴニョゴニョ)
ーこういうのは普通書き溜めておくものじゃないんですか。
C : あぁ...。 ...普通って何かね。 (真顔)
ー (なんか面倒くさそうだ) フロアタイルを施工してみていかがでしたか。
C : 甘く見ていた。この一言に尽きる。
ーどういったところが
長十郎はフロアタイルを少々甘く見ていた。
前編をポストしたときはまだ施工しておらず、その記事を書きながらこの企画の〆には「これだけの道具で手軽にできるよ! 簡単だからみんなもやってみてくれよな!」的な感じで終わらせようと構想を練っていたわけだが、そういえば私には計画性も想像力もないということを忘れていた。
これは素人が6畳の部屋にフロアタイル(サンゲツ スムースモルタル IS-728)を施工してみたという記録。
行き当たりばったりで進めてしまったゆえに得られた5つのことを記しながら完成までの様子をかいつまんで紹介しようと思う。
以下書いてあることには反面教師的な意味合いで受け取っていただきたい部分も多々あるが、これからDIYでフロアタイルを使ってみようという方へ一つの検討材料として少々の参考になれば幸いである。
フロアタイルが届いた
部屋の縦横寸法をざっくり出し、フロアタイルのサイズでざっくり割ってみるとどうやら30枚ほどで足りるようでした。「サンゲツ スムースモルタル IS-728」は一梱包9枚入りなのでとりあえず3つ(27枚)注文することに。
(足りなかったらバラ売りしているところで買おうという魂胆)
送料含め2万円弱。ブルジョワな方ならともかく生憎私はそうでないので6畳分でこれというのは決してお手軽な価格とは言い難いか。
タイルが約600x600mmだからまあまあでかい。
で届いたわけですがこれが非常に重い。一箱10kgぐらいあるんじゃなかろうか。(いや正確にはわからんけども)
とにかく重い。届いた三梱包を一気に運ぶのは非力な私には無理でした。
あと届いたとき既にダンボールが少し開いていたけど。 まあ気にしない。(型番と製品が合っているか確認でもしたんだろということで)
TIPS 1
6畳分で2万円弱。フロアタイルはとにかく重い。(IS-728の場合)
↑いきなりわりとどうでもいい
使った道具
フロアタイルが届きましたので貼る準備です。
両面テープは近所のコメリへ買いに行きましたが、それ以外は準備したというよりその都度必要なものを使っていった結果がこれらという感じ。
一応右から
スコヤ - 直角を測ったり墨付けするのに使った。
ボールペン - 墨付け。
ハサミ (無くてもいい)
カッター - 主に両面テープを切る。
カナ定規 - 隅から測るとき。
定規- 墨付けに。
コンベックス - 部屋のセンターを取る際に。
両面テープ - フロアタイルを床に接着。
マスキングテープ (これも別に無くていい)
一般的にフロアタイルは接着剤で貼るらしいのですが、私は万が一のこと(気にくわなかったときのこと)を考えて復旧できるように両面テープで貼ってみることにします。
そして。
本音を言えば使いたくなかったこれら。
丸ノコとジグソー
タイルをカットする際に使いました。
例えばワンルームのアパートなどで一人暮らしされている方。フロアタイル貼りを自分でやってみたいと思ったとき、丸ノコやらジグソーを持っている人がどれくらいいるのか。そしてそこは切りくずを撒き散らせる環境なのかということ。あと音の件もあります。
冒頭にも書いた通り手軽に模様替えができるよ的な流れを想定していたので、電動工具が登場してしまうとそれだけでハードルが上がってしまいます。
カッターで切れないこともないですが、なかなか硬いので一回切るのに何度も刃を通さなければなりませんし数枚で済むならともかく全てとなると結構根気が必要だと思います。(カットする枚数に関しては後述)
あと切断面のこと。
私がカッターでフロアタイルを切断した場合、切り口が斜めになって極端に表すとこうなってしまうような気がしました。
フロアタイルを並べたときの断面図。こうなるとどんなに突き合わせても隙間ができてしまう。
シームレスなパターンなので出来る限り隙間が生じるのは避けたいわけです。
要するに自分の腕に自信がない。
よって電動工具を頼ることに。
まああーだこーだ言ってますがこれはあくまでも今回私が扱った「サンゲツ スムースモルタル IS-728」の場合は、というのを念頭に置いといてください。
おそらく加工しやすいフロアタイルというのもあるはず。気になるものに出合ったときはとりあえずサンプルを取り寄せて加工しやすいかどうかもチェックしたほうが良いと思います。
TIPS 2
フロアタイルの加工性も重要
↑とりあえず「サンゲツ スムースモルタル IS-728」はカッターで切るには硬い
参考にならないフロアタイル貼り計画
でここから貼っていくわけですが、とりあえず失敗例です。参考にしてはいけません。
当初の甘ちゃんな考えを説明するため部屋の写真と簡単な平面図をどうぞ。
黒い部分が家具とか物。
で、これがタイル割り付け図 (真似してはいけない)
赤い部分はカットが必要なタイル。カットするのは10枚で済む計画。
上の図でいうところの右下を基準にして壁伝い(正確に言えば巾木伝い)に貼っていくという方法。
行き当たりばったりな私でも少しはフロアタイルの貼り方を調べていて、部屋のセンターから貼っていきましょうみたいなことをチラッと見ていたんですが、「いやいやそれだと部屋の4辺ともタイルのカット必要になるやん」と思いましたし、タイルのパターン的にも目地の位置を気にするものではなかったのでこっちの方がいいだろうと。
私は何の疑いもなく貼りはじめます。
とりあえずフロアタイル裏面に両面テープを貼る。(雑さが滲み出ている)
デスクをずらして、
ごちゃついたケーブルたちは見て見ぬふりしながら、
まあまあいい感じだと思っていた矢先。
おや...。(変な隙間が生じている→隙間を埋めるようにカットして対応)
そして2列目でも再び。
...。
ここでようやく私も嫌な予感がしてきます。
「これ もしかしてずっとカットすることになるんじゃないか」
考えられる要因は主に2つ。
タイルの角が90°じゃない。
部屋の壁(巾木)が直線じゃない。目視では気づかない歪みがある。
まあまず製品としてタイルが原因というのは不良品でない限り考えづらいですし、測ってみてもやはり直角でした。なので悪さをしているのはおそらく後者。
カットする枚数が少なくて済む方法だと思ってましたが、
むしろこのやり方ではカットするばかりで進むにつれどんどんシワ寄せで大変になるんじゃないか...。
...。
貼り直しまーす。
(剥がす作業で結構タイムロスしました)
TIPS 3
壁(巾木)の直進性は疑った方がいい
↑それぐらい想定していろよ
正しいフロアタイル貼り計画
はい。これまでのことは忘れて部屋のセンターを出しましょう。
ざっくり部屋のセンターを出す(←懲りていない)
正しい割り付け図。
赤い部分は同じくカットが必要なタイル。
カットが必要な枚数は20枚になってしまいましたが、要はとりあえず真物で貼れるところは貼ってしまいましょうということ。これならば妙な隙間は生まれようないので端以外のものはカットする必要はありません。
注意すべきなのは基準となる一枚目を貼るときフロアタイルの辺と部屋の壁が極力平行になるようするということでしょうか。(これが極端にブレてしまうと端にくるタイルをいびつな形にカットしなければならなくなります)
先人たちが残してくれている情報はちゃんと調べましょう。一見手間がかかりそうなことでもやはりそれなりの理由があるはず。(←自分に言っている)
TIPS 4
フロアタイルは黙ってセンターから貼る (能書きはいいんだよ)
↑これが一番重要かもしれません
端用のフロアタイルをカット
はい、ようやくここまで来ました。
あとはひたすら加工です。
例えばここは、
カットするフロアタイルをこんな感じで巾木に突きつけて、
両端を墨付け。
治具を使って丸ノコでカット。
そしてはめる。
部屋と作業場を往復してひたすらこれを繰り返していきます。
で、進めていくと地味ながら私の部屋で一番の難所と思われるところが現れる。
ここも適当に測りながら墨付けして (←すでにもうある程度の隙間は覚悟している)
ジグソーも使いながらカット。
はめてみると
案の定の隙間である。
まあ許容範囲ということで...。
最後の方まで来てやっとわかったのは墨付けした線よりコンマ何ミリか大きく切ったほうがいいということ。
多少大きく切っても押し込みながらはめることで隙間なく収められます。
一度切ってしまったものは元に戻せません。(当たり前)
TIPS 5
端のフロアタイルは多少大きめにカットする
↑ちょっと面倒でも微調整しながらいきましょう
フロアタイル施工上のTIPSまとめ
はい、こうしてなんやかんや全て貼り終わりました。
使った両面テープは3巻きと少し。
フロアタイルは真物が2枚余りました。なので使ったのは25枚ということになります。(あと端材も少しある)
完成した様子は後編に回すことにして(←謎のもったいぶり)、ここで一旦TIPSをまとめておきましょう。
やってみてわかった5つのこと
6畳分で2万円弱。フロアタイルはとにかく重い。(IS-728の場合)
フロアタイルの加工性も重要。
壁(巾木)の直進性は疑った方がいい。
フロアタイルは黙ってセンターから貼る。
端のフロアタイルは多少大きめにカットする。
一番上はともかく他の4つが満たせていればフロアタイル貼りはうまく仕上げられるんじゃないかなと思います。
中でも私が強調して書いておきたいことは、
「フロアタイルの加工性」
これがやはりDIY施工のハードルを大きく左右するものだということ。
多くの人に「これだけの道具で手軽にできるよ! 簡単だからみんなもやってみてくれよな!」と言うためには切断にはカッターだけで済ませられるべき。(←自論)
今回私がやったように床全体にフロアタイルを貼るとすればどんな部屋でもおそらくカットは必要になってきますので、もし自分で施工をしてみようか検討されている方がいましたら一度サンプルを取り寄せてみて色味等のチェックとともに、そのフロアタイルがカットしやすいかどうかも試してみることをおすすめします。
(切りやすいフロアタイルというのも床材として傷がつきやすいとかデメリットもありそうだけど)
そして上の5点以外にこうすればもっと作業しやすかったと思うところは、
「出せる家具や物は可能な限り出す」
当たり前ですがその方が作業効率が良い。
家具をいちいち移動しながら貼っていくのは時間がかかります。 あとまっさらな状態であるならば、フロアタイル貼ってしまう前に一度仮置きしてみることができます。 というのも今回扱った「サンゲツ スムースモルタル」は名前の通りモルタルを再現しているため一枚のタイルの中に色の濃淡があり、そのため隣り合ったタイルの間にどうしても色の切り替わりが出てしまい、シームレスなパターンでもなんとなくタイルが並んでいる感は出てしまいます。 しかし部分的には自然なつながりのパターンになっているところもあるので、このタイルの隣はこのタイルというような全体的に一番自然に見える配置を最初に検討したかったなということ。
施工してみて私が感じたことはそんなところです。
次やるときはもっと効率良くできる気がする。(次の機会なんてそうそうないと思うけど)
頭の中で考えられても実際やってみなければわからないことってよくあるよねーとつくづく感じたフロアタイル施工でした。つづく。