太田市美術館・図書館に行った話。
暑いですね。また例年の夏が戻ってきたようです。
昨日伊勢崎(数日湘南台)から帰宅いたしました。最近の出張の際は夜勤なものですから、昼間の生活をしようとすると時差ぼけのようにあまり頭が冴えません(←普段よりも)
伊勢崎では駅前のホテルに宿泊しておりました。伊勢崎を訪れたのは今回が初めてで地名はよく耳にしていましたので駅前もまあまあ栄えているのかなと思いきや、
「...何もないぞ...。」
いや何もないというのは語弊がありますが、時間を潰せるような施設やお店が駅周辺にない。滞在三週間のうち、休み(いわゆる土日休みみたいなもの)が2回ありまして、これをどう過ごすかというのがなかなか悩みどころでした。
一度目の休みは、せっかく来たことがない土地に来ているのにもったいないと感じつつもホテルに引きこもりダラダラしたり惰眠を貪る結果となってしまったわけですが、ちょうど二度目の休みに入る前に私の数少ない友人(北関東出身)から電話がありましてそのついでにどこか近くで行くべきところがないか聞いたところ「太田市美術館・図書館」があるじゃないかと教えてくれたのでした。
「太田市美術館・図書館」
というわけで今回は太田市美術館・図書館について。
設計は平田晃久さんで今年の4月1日にオープンした新しい施設であります。行く前に少しだけネットで調べまして、第一印象としては屋上庭園みたいなものを見たためか中村拓志さんの原宿東急プラザと似たイメージでしたが改めて見比べてみると全然違いますね。(見た目もスケール感も)
場所は太田駅北口を出てすぐのところにあります。だいたい地方都市の美術館はさらにバスを乗り継いで行ったりと駅から少々遠いところにあることが多いかと思いますが、このように駅前にあるというのはとても珍しい気がします。(ものぐさな私ですから特にこの暑い季節、駅からさらに歩かなければならなかったりすれば来なかったかもしれません...)
太田駅北口を出てすぐです。
中に入ってみると同じ建物内でありながらいろんなシーンに出会いまして、新聞を読んでいる人、勉強している人、パソコンを開いている人、スマホをいじっている人たちを横目にここを曲がったらどこに行くのかなと歩き回りたくなるようなまちを散策している感覚でした。かといってガヤガヤしているというわけでもありませんし適度な雑音がある方が私は心地いいです。
一応3階建てなのですが階層を繋ぐのはスロープ(ところどころ階段。エレベーターもありますよ)で、そのスロープの壁側に本棚が設置してあり本につられて歩いていたらいつの間にか2階にいたとか3階にいたといった感じであまり階層を意識させられない建物でした。
私は平田さん設計というと「sarugaku」の印象が強いので、平田さんは建物にこうした路地性を組み込むのが好きなのかなと感じます。大きな建物であったら目的の場所にたどり着きづらかったりただ迷ってしまい煩わしく感じてしまうかもしれませんが、ここはそこまで大きいというわけではありませんので丁度いいスケール感の建物だと思います。
(土曜日とあってか人が多く写真を撮るのを躊躇したため残念ながら建物内部を説明するのに適切な写真があまりありません...すみません)
仕上げのテクスチャもいろいろです。
外部もぐるっとスロープ、階段で回れるようになっており、ところどころ椅子が置いてあってとどまれるスペースがあります。真夏真冬はちょっときついですが、春秋の気持ちのいい気候のとき外の空気を感じながらお弁当を食べたり読書して過ごすのも良さそうです。
階段に座って読書とか。
屋上です。植えられた木が成長するとまた景色が変わる気がします。
これがもし私の家の近くにあったら通っちゃうなと思います。そう思わせるのはこの施設の機能が美術館+図書館(+カフェ)というところにありまして、もし美術館だけであればものすごく興味がある展示でもない限り一度行けば満足してしまうのでその展示期間中再び訪れることはなかなかないと思いますがここには図書館機能もあります。本は読み尽くせないほどありますし、最新の雑誌も置いてあるようでした。そしてカフェで息抜きにコーヒーも飲める。
何かアイデアを考えるときですとか行き詰まると環境を変えたりすると良かったりしますのでそうしたときにも使いたいなあとか。
そして駅前ということ。待ち合わせをしたり、バスを待ったり、電車を待ったりすることが多い場所かと思いますので丁度いい時間をつぶせる場所だなと。私の地元のような電車の本数が少ない駅(一時間に一本!)ほどこうした施設があったら助かるなと思いました。(←そもそもの人口が少ないので難しいですが)
これまでにも太田駅には何度か来たことがあり正直なところ不穏なまちのイメージ(特に南口)を持っていましたが、それを少し覆す太田市の良い拠点となる施設ができたんじゃないかなと感じました。